確かに48歳である。オジサンである。若作りである。しかし…。
とある編集部で女の子たちが話していた陰の会話。
「50歳近くなって若作りしてるオジサンって、イタイよねぇ(笑)」たぶん、おそらく、僕のことではないはずだ、、そんなはずがない、そうじゃないと言ってくれ! しかし…。
僕じゃないにせよ、これが今の女の子の正直な声なのだ。もはやニッポンはダメである。海外へ行けばニッポン男子は10歳は若く見られるのである。いざ、海の向こうへ!

どうせ行くなら、美女の国である。世界三大美女といえば、クレオパトラ、楊貴妃、ヘレネ(日本だと小野小町、この最後だけ各国によって違い、自国の美女をいれるのだとか)だが、これは歴史上の美女の話。ホントに美人だったかどうかもわからんし、現代の美的観点との相違も考えられる。
しかし、現代基準での美女産地があるという。コスタリカ、コロンビア、チリの3国。頭文字から3Cと呼ばれる。世界的にも有名らしい。これはさっそく南米へ飛ばねば。
さて、どこからやっつけてやろうかなっと。やっぱり3Cでも一番だと噂のコロンビアか。トップモデルを世界に輩出するモデル大国だとか。世界のミスコンでも常に上位らしい。やっぱコロンビアだろう。

ん?待てよ。そういえば、コロンビアはかなり治安が悪いという噂もちらほら。いかに格闘技系には自信がある僕でも、(観戦の方だが…)銃にはかなわない。しかし、そんな場所だからこそ、とある美女が、悪漢にからまれていたりするのである。僕はそこに通りすがり、勇気を出して声を掛ける。相手はあまり見た事のない東洋人の、聞いた事のない日本語にビビって、何もできずに逃げ出す(とっても安全なストーリー)。かくして、その美女は助けてもらったことに感謝。食事でもどうかと誘われる…、なんてね。うーん、迷うぜ。
いや、ダメだ。どんなに美女との素敵なストーリーが待っていようとも、やはりコロンビアではリスクが大き過ぎる。万が一のことがあったら、他の3Cを巡れないではないか。
おっと、始める前から妄想に浸ってしまった。いかんいかん。
まずは、何はさておき航空券だ。そういえば編集部で「最近、ちょっと便利なサイトがあるんだけど、知ってる」なんて言われたよな。「ああ、知ってる、知ってる」なんて、知ったかぶったけど、なんだっけなぁ。トリノス?トラノス?違うなぁ…。ん?そうだ、確かトルノスだ。
さっそくパソコンに向かいログイン。

まずはチリ。トルノスのMyページで「チリ美女の旅」と題した新規のMy日程表を作成。「海外旅行券を追加」から、航空券を調べる。デルタ航空、アメリカン航空から乗り継いで行くと、チリに到着する便に、ラン航空という聞き慣れない名前の航空会社がある。調べるとチリの航空会社のようだ。当然、これでしょう。
チリの航空会社ということはキャビンアテンダント(個人的にはスチュワーデスって響きの方がやっぱ好きだなあ)も当然チリ人が多いはず。つまり、行きのフライトから美女のオンパレードなのである。すると早速、日本びいきの美女アテンダント(仮に名前はイネスとしようか)が話しかけてきた。日本へは行ったことがないが、フジヤマ、マイコなど、不思議の国ニッポンには興味があるらしい。フライトの間中、話がはずみ、サンティアゴでの再会を約束。市内を案内してくれるという…なんてね。ラン航空で決まりである。

サンティアゴの楽しみはホテル選びから。My日程表の「海外ホテルを追加」から滞在先の宿を物色。イネスは夕方にやってくるというから期待大。きばって高級ホテルを予約する。
サンティアゴの街は、道行く女性が美女ばかり。カフェの店員も花屋の女主人も、ハポネスだというと、目をキラキラさせて気軽に声を掛けてくれる。日本人はまだまだ珍しいのである。希少価値なのである。目鼻立ちの濃い立体的な顔を見慣れているチリ人は、のっぺりとした東洋の美に憧れるのである。
夕刻からはイネスとデートだ。観光地は日本人が多くてあまり目立たないので、イネスには、できればあまり日本人がいないところへ行きたいとリクエストする。これが正解だった。すれ違う美女がみんな振り返って行く。イネスがいない時には、逆ナンされたりもするの。これにイネスがヤキモチを焼くわけだ。イネスには今や恋心が目覚めてきちゃってたりなんかするのである。当然その夜は激しく燃える…であろう。
翌朝、イネスにコスタリカ行きを告げる。まさか美女巡りとも言えないから、スペイン語の短期留学がしたいなどと言ってみる。コスタリカは中南米でも、スペイン語の短期留学の募集が頻繁にある国だというから、なまじ嘘ではない。

とはいえ、やはり美女巡り。スペイン語学校には目もくれず、目指すはココ島。ダイビングのメッカともいわれるコスタリカで最も有名な島だ。島=海=水着の美女である。ココ島には宿泊施設がないから、豪華クルージングのツアーを申し込む。宿泊は船内だ。船の中でのアバンチュールってか(さすがオヤジ、我ながら語彙がいちいち古い!)。
ダイビングは女性に人気のスポーツでもあるからして、船内の女性客も多い。もちろん日本人はいないから注目度抜群。常に僕の周りだけ女性の輪ができてしまう。しまいには、他の男性客らが嫉妬して、僕を囲んで袋にしようとするが、そこは日本古来の武道の達人(何度もいうが観る方ね)であるからして、逆にねじ伏せ、女性陣からはやんやの歓声である。
そんな中、1人僕に興味を示さない女性がいたりする。これがまたとびっきりの美人。しかし、がっついてナンパなどしない。
その日の深夜である。いろいろな美女たちの招待にさすがに疲れ、船内のバーで一息つく僕。そこにくだんの彼女が入ってくる。紳士的にあくまでも紳士的に声を掛ける。彼女は傷心旅行の一人旅。しかしよけい寂しくなっちゃった…なんぞとのたまう。

僕でよければ…なんてことになり、僕たち二人はこの日の夜からバディとなるのである。この世のものとは思えない彼女の美しい肢体。さぞかしココ島のエメラルドグリーンの海にも映える事だろう…。

エメラルドグリーン、グリーンの光、ちかちかと緑色、ブーンという音もする…、ん?携帯?
今宵の妄想旅行は、携帯電話によって中断である。しかも、相手は今日のあの編集部だ。さらにいえば、出なくてもわかっているその用件は、原稿の締め切りである。
現実はかくもキビシいものなのである…。

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今回はMy日程表の「海外ホテルを追加」のボタンでホテルを選んだが、迷うぐらい多くのホテルが見つかった。気に入ったホテルがあったら、さらにインターネットの口コミなどで詳しく調べてみると、面白いエピソードなどが見つかって妄想に深みが出る。ホテルは妄想トラベルでは結構キモになるので、ホテル選びは慎重にしたい。

「クリエイティブな発想が旅をより面白くする。そしてその発想は日頃の妄想によって鍛えられる」との妄想ツーリズムを提唱し、日々“妄想トラベル”を遂行!
たまたま現実に戻る時には、雑文を書き散らし日銭をもらう。その結果、お声が掛かれば本なども出し、『監督たけし』『キューケイくん』『缶詰パラダイス』等々の著書あり。元来は詩人なので『東成瀬村岩井川字村中25』『いつもそばにいるよ』などの詩集も奇特な出版社から出ている。
>>佐々木桂ブログ【桂乃徒然】